新人看護師が「仕事がつらい」と感じ仕事を休んでしまったら読む記事|心を守る3つの方法

新人看護師向け
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こんにちは。0.2歩先をいくナースです。

今回は、仕事が辛くて、休んでしまうことについて私の考えをお話しさせていただきます。
今辛いよ。明日仕事行きたくなくて仕方がない。そんな気持ちを抱えている方は読んでいただければ少し心が軽くなるかと思います。是非あなたのお時間を少しだけお借りしますね。

朝の病棟に鳴った電話の音。出てみると新人さんからの「今日お休みさせて頂きます」の電話。

私がこれまで数年、指導者の立場として新人指導に当たってきた中で毎年のように繰り返されてしまう出来事です。
そして恥ずかしながら私自身にも身に覚えがありまくりです。

新人さんが少しずつ少しずつ、指導の言葉にすり減っていきます。そして時には叱られたり、怒られたりして心に大きなダメージを負ってしまう。
新人の頃の私は月に1度は必ず、「今日はもうだめだ。本当に無理。仕事行きたくない」と思って休むことがありました。
そのたびに、布団の中で「今日だけ。今日だけ休んで、また明日から頑張る」

あなたにも、そんな日があるかもしれません。

先輩たちはよくいいます。
「毎日来てくれるだけでいい」
「出来るようになってなくてもいいから、まずは出勤が大事」

いやいやいや。
毎日行く辛さ忘れたんですか。
できないことができないままだから怒られて辛いんだってば。
って新人のあなた方は思うんです。そして、私も思っていました。

だから私は思うんです。もし、仕事に行けないくらい心が疲れているなら、1日だけでも休んでいいと。
仕事を1日休んでまた元気が少しチャージが出来るなら。あなたの頑張っている姿がまた見られるなら。

病棟は新人さんが休んでも業務はまわります。
じゃあなぜ先輩は熱心に指導をするのか。
それはあなたたちに心から「一人前の看護師になってほしい」と熱い気持ちで願っているからです。

でも、その願いは良くも悪くも新人さんにとって、大きすぎる期待になってしまう。

新人さんは1年、2年をかけて育て、3年目でやっと1人前というのが通説です。
それだけ業務が複雑で求められる専門性が高いわけです。
しかしどこの病院も基本的に人手不足。
現代の医療現場は、慢性的に人手不足が進行し、新人さんにすら即戦力を求めやすくなってしまっている構造です。その結果、指導のペースが速まり、誰もが心を削ることになっていることに、誰も気付けなくなっているんです。それが当たり前になってしまっている。

だから、あなたが今、しんどくて潰れそうになっているのは、
「決してあなたがダメだから」ではない。それは壊れやすい仕組みの中にいるせい

これは私が断言できます。指導を受ける側に責任はありません。
指導する根本的な体制が悪く、指導する側がそれを自覚しないことが悪いのです。

指導の辛さに、心がボロボロになって「向いていない」と思ってしまった人へ。


患者に対しては「優しく、冷静に、丁寧に」
先輩からは「指導に耐えること、成長の証を求められる」
そんな板挟みの中で、自分の本当の心なんて、どこにも出せる隙間がありません。
常に仮面を被って、本心は胸の奥に押し込め続けるしかないのです。

その我慢の先に「自分は向いていない」という思いが生まれてしまう。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

どうか、今しんどくて身動きが取れない自分を、責めないで。
「それでも頑張って、ここまで来たんだよ」って認めてあげてください。
私はそれを、誰よりも肯定したいです。

あなたが今、ここにいる。それがここまで頑張ってきた証です。
少し、休んで。もう一度自分を少し取り戻せたのなら、それで十分

私が一番に伝えたいメッセージはこれでした。

でもね、そうはいっても辛いものは、辛い。
今この時間、少し救われた気がしても、明日また仕事に向かう足がすくんでしまうかもしれない。

だから、少しだけ
心を守る作戦を、伝えさせてください

心を守る作戦

感情を見つめ直す技

心のマネジメント方法を少しお伝えします。
難しい言葉ですが認知再構成法という心理学の技法があります。
看護師1年目の時、私はこれと出会って救われました。
これは瞬間的に感じた感情(落ち込み、不安、劣等感などの負の感情)を、客観的にとらえ直し、冷静で現実的な別の視点から見つめ直すという方法です。

よく分かりませんね?
大丈夫です。わかりやすくお伝えします。

例えば先輩から「それ前にも言ったよね?」と、言われたとき。
あなたはきっと
「私は本当に物覚えが悪い。指導を活かせてない自分はダメだ」
「先輩は私のことを無能だと思ってるんだろうな」
「また怒られた。怖い。分からなくて聞きたいことも聞きにくい」
と、瞬間的に考えてしまうと思います。

そしてその時の気持ちと、それを点数化してみてほしいんです。
例えば
恥ずかしさ…80点
落ち込み…70点
不安…60点
怒り…40点
のようにです。ここは深く考えなくて大丈夫。直感で。
なんなら落ち込み…70点。だけでもいいです。

この点数化だけでも、心が少し軽くなります。
たったそれだけで? と思うかもしれませんが、今日あった嫌なことをひとつ思い出して今やってみてください。
漠然とした不安、恐怖心といった負の感情を、点数に変えることで、自分を客観視できるようになるから。

「あれ、結構辛いと思ったけど落ち込みはやっぱり実は50点くらいかも」
「「不安は60点って一瞬思ったけど、でも次聞けばいいって思えば20点くらいかも」

そう思えたら、その一言に飲まれていた自分が、
少しずつ自分の中で消化できて、自分の軸に戻ってこられる。

私は正直この点数付けをするだけですごく心が救われます。
なにかあった時、この考え方が出来るようになるだけで
自分の感情を冷静に見つめ直せるのはすごく効果的だと思い、もう10年間もこれにお世話になっています。

実はこの思考方法には続きがあるんですが、正直ここまでで十分感があるので、これ以上はここでは紹介はしないでおきます。興味がある方は「認知再構成法」で調べてみてください。

合わない人がいてもいいと認める

どんな職場でも、人には相性があり、人には合う人合わない人がいます。
陽キャ陰キャ、A型O型AB型、インドアアウトドア。
人にはそれぞれ違うラベルがあり、カテゴライズされます。それは悪いことではありません。

指導がキツい先輩、優しいけど距離が遠い先輩、声をかけづらい先輩
平たく言えばちょっと意地悪な性格の人も「多様性」という便利な言葉で片付けられてしまいます。
この多様性を理解しつつも、相容れないものには必ずしも共感、寄り添う必要はないと私は思っています。

それぞれが違うように、自分と合わない人がいるのは、当たり前のことなんです。
そして、無理に仲良くしようとしなくていい。

大事なのは、業務に必要なコミュニケーションだけ保てればいいということ。

合わない人との過剰な接触は自分の心理に悪い影響を及ぼします。
常に棘のある言葉や態度、自分とは温度の違う考え方をする人と、近い距離でいればいるほど心は荒んでしまいます。

業務上に必要な距離は保ちつつ、自分から距離を少し取ろうとするのは「自分を守る技術」です。

さっき紹介した認知再構成法も一緒にやると有効ですよ。

心をリセットする方法をもつ

心が荒れてしまったとき、ただ寝るだけでは回復できないこともあります。

大事なのは、平たく言えば気分転換。
もっと適切な言葉を使うなら心を立て直す再起動です。
このリフレッシュの本質についてChatGPTさんに聞いてみました。
すごくいいことを言っていたので紹介させてください。

人には向き不向きがあるので、回復手段を「4つの方向性」で整理してみます。
①【身体性アプローチ】心と身体はつながっている
自律神経を整える深呼吸・ストレッチ・自然散歩
睡眠の質改善(音・照明・香りなど)
手を使う創作(料理、絵、手芸、ガーデニングなど)
→ 身体を通じて「安全」や「穏やかさ」を感じると、脳も安心する

②【感情の放出型】溜め込まないことが大前提
思い切り泣く(映画や音楽の力を借りてもよい)
信頼できる人に「気持ちだけ」を話す
ノートにひたすら気持ちを書き出す(ジャーナリング)
→ 感情は溜めずに“流す”ことで、心にスペースが生まれる

③【意味づけ型】心の構造を修復する
カウンセリング・日記・内省
哲学的思考(なぜ自分はこれに傷ついたのか?)
リフレーミング:「この経験は何を教えている?」
→ 単に“癒す”のではなく、“価値変換”することで立ち直りが強くなる

④【つながり型】人との温かな接点で再生する
「何も解決しなくても、そばにいてくれる人」の存在
動物、植物、子どもなど、無条件に癒される存在とのふれあい
誰かに優しくすることで「自分にも優しさがある」と思い出す
→ 心が荒むと“孤独”と“無力感”がセットで訪れるため、つながりの実感が特効薬

とのこと。
③はさっき私がいった認知再構成法に似たことのようですね。

①身体と心は繋がってるとはまさに本当ですね。
お風呂にゆっくり浸かると気持ちがリフレッシュされる。
ちょっと自分の好きなスポーツやストレッチをするとスッキリする
好きなアーティストの曲に包まれる

④人とのコミュニケーションで再生する。これもその通りだと思います。

大事なのは自分がこの中でなにが合っていそうか見つけることです。

新人の頃の私は③に近い認知再構成法、あと④の恋人や友人と一緒にいる時間が自分の中では大きかったですね。

でもそんな私でもうまくストレスと向き合ってここまで来れました。
とにかくリフレッシュ。気持ちの再起動。

休みの日、仕事終わりの時間は貴重です。
だらだらと漠然とした不安や恐怖感とは早いとこ気持ちを切り替えられるといいですね。

現場を変えるという選択


そして最後に、お伝えしたいことがあります。
それは「環境を変えるという選択肢を持っていい」ということです。

新人のうち、仕事を始めたては本当に辛い期間です。
でも、少しずつ慣れて、
仕事に手ごたえを感じるようになったり
先輩たちの目が優しくなってきたりすると
辛い気持ちは少しずつ減って軽くなっていきます。

だけど、
「そこにたどり着くまで」が、とても長い。
そして、心が先に折れてしまう人も少なくありません。

先輩や上司との相性は正直、運です。
どれだけ頑張っても、自分ひとりの力ではどうにもならないことだってある。
だから合わない現場に無理して居続ける必要なんてないんです。

看護師のライセンスはとにかく流動性の高い資格です。
転職活動で困ることはほとんどありません。
しかも選べる場所は本当にたくさんあります。

病院なら急性期病院、回復期病院、慢性期、療養型…
クリニックや訪問看護
施設、デイサービス、在宅ホスピス
健診センター、献血センター、企業看護など

看護師は、場所を変えても輝ける職業です。
言い方をかえれば「自分に合った現場」を選べるのが、看護師という仕事の大きな強みと言えると思います。

現場を変えることは敗北じゃない。
違う場所で、違う看護をすることは、あなたの価値を減らすものではありません。

看護学生の頃、思いませんでしたか?
「最初はやっぱり急性期」って。

私もそう思いました。というかそれで急性期の楽しさに今でもどっぷり浸かっているわけですが…。
一方でデイサービスでバイトをしていたこともあります。すごく楽しくて、遊びにいくくらいの感覚でいつもバイトしていました。

だから声を大にして言いたい。
「急性期じゃなきゃいけない」なんてことは、どこにもない。

確かに急性期で働けばアセスメント能力や緊急対応力は身に着きます。
質の違いはあれど、でも急性期で働かないと身に着かないわけではありません。
それが唯一の正解ではないし、急性期に向かない人が劣っているわけでもありません。
場所によって、必要とされる力が違うだけ。

ピカイチのアセスメント能力なんて施設ではぶっちゃけ必要ありません。ヤバいなと思ったら病院に利用者を受診させてあとは病院に任せればいいのです。
代わりに施設では、笑顔と共感力が求められます。

在宅では観察眼と柔軟な判断力が必要。
あなたの力を必要としている場所は、必ずあります。

転職が必要なサインかもしれない

転職と聞くと腰が重くなるのも分かります。
でもこのブログを読んでいるあなたはきっと、今が辛くて仕方がないんですよね。
キャリアアップの転職や、金銭面での選択での転職とはわけが違います。

もうこれ以上、自分を追い込まないために、選択肢を探す必要があるのかもしれません。

「休みの日も、ずっと仕事のことを考えてしまう」
「朝、職場に足が向かない」
「涙が止まらない。でも理由がわからない」

もし今そんな状態が慢性的に続いているのだとしたら
それはもう環境を変えるべき心のSOSサインかもしれません

自分のSOSを見過ごさないで

残念ながら私は今までたくさんの頑張り屋さんな同僚たちが心を壊してしまうのを見てきました。

休職、そして退職
それでも回復できずに、社会に戻れなくなってしまった人もいます。

みんな頑張り屋で、責任感が強く、良い人たちばかりでした。
そんな彼女たちと、会う約束をしても調子が悪くやっぱり会えなくなってしまったとキャンセル。
やっと会えたと思ってもメンタルが本当に不安定で、泣き出してしまう。
変わってしまった彼女たちを見るたびに、
「もっと環境を変えることを本気で勧めていたら…」と何度も思いました。

彼女たちは自分のSOSに気づいていたのに、
「みんな忙しいのに私が抜けたら迷惑だから」
「辛いの私だけじゃないもん」

自分のSOSの声を後回しにしてしまった。
こんな悲しい結果はありません。

これを読んでいるあなたには、同じ思いをしてほしくないし、
まして当事者になってほしくありません。

心の再起動の話をしましたね。
1日かけてリフレッシュしましょう。
もしそれでもリフレッシュできなかったら。
明日朝になって足がすくんでしまって帰りたくなってしまったら。
これが慢性的に続いてしまったのなら。
その時はもう環境を変えるべきサインです。

頑張らなきゃいけないという義務感など「頭」で考えることは心を押しのけて思考します。
しかしその頭の思考すら押しのけて、「心」の悲鳴が大きくなっているのなら。

そのSOSサインは決して無視してはいけません。

看護の仕事は患者を助けること。笑顔にすることです。
そのためには自分がまず元気であること、笑顔でいられることです。

自分を壊してまで、無理をしてまで「誰かの役に立とう」としなくていいんです。
むしろ、
心に余裕がある状態で、働き続けられた方が、
結果的にたくさんの患者さんを。そして自分自身を救える。

私はそう信じています。

まとめ

仕事がつらくて休んでしまう新人看護師さんへ。
「行けない自分はダメだ」と責める気持ちは、壊れかけた仕組みのせいで生まれたもの。あなたのせいじゃない。
現場は人手不足により、新人にも即戦力を求めてしまう構造になっており、それが誰にも見直されないまま、「当たり前」とされている。
そんな環境で頑張り続けているあなたは、すでに立派です。

心を守るためには、次の3つが大切です。

  1. 感情を点数化して客観視する(認知再構成法)
     → 一瞬の落ち込みや不安を「点数」にするだけで、冷静になれることがあります。
  2. 「合わない人がいる」ことを当たり前と受け入れる
     → 無理に仲良くする必要はなく、必要な距離を保つのも自分を守る力。
  3. 心をリセットする自分なりの方法を持つこと
     → ただ寝るだけでなく、身体や感覚、思考、感情の方向から回復する手段をもっておくと、ふと楽になれる瞬間があります。

そして最も大事なことが、限界を迎えそうだと。もうこれ以上はダメだという心のSOSを感じたら
その時は
4. 環境を変える選択肢をもちましょう

あなたが今、ここにいること自体が「頑張ってきた証」です。
どうか、もう十分に頑張った自分を、ちゃんと認めてあげてください。


今は一歩も動けない気持ちかもしれません。
でも「自分の心を見つめること」は、もうすでに前に進んでいるということ。
この小さな一歩が、あなた自身の力で踏み出した確かな前進です。

大丈夫。あなたにも、できます。

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