「怖い先輩がつらい…」新人看護師が涙する前に知ってほしいこと

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こんにちは。0.2歩先をいくナースです。今日もお仕事お疲れさまでした。

新人看護師の皆さん、視線の先に苦手な先輩の姿を見つけた瞬間、心臓がドクンと音を立てて、足がすくんでしまうこと、ありませんか。

あなたのその、「先輩が怖い」という感情、痛いほどよく分かります。

「またあの先輩がフォローか… 胃が痛い」
「この前怒られたことが、頭の中フラッシュバックする」
「帰り道に泣くのは、もう今日で3回目」

はい、全部昔の私です。
「先輩が怖い」という感情。これはきっと皆さんが抱える悩みの中で、最も重く、根深い問題のひとつです。

私は大雑把に新人さんから見た先輩像って

性格優しい・教え方も超優しい=神。推せる。大好き
性格は優しいけど、教えが真面目。普通
性格怖い。でも教えてはくれる。だけどやっぱり怖い。
性格怖い・教えない・無視される=地獄の使者。今日死亡。

だいたいこんな感じのイメージ。

一番上の先輩にあたった日は超ラッキー。その日1日はHappy♡ ですよね
でもそれ以外の3つで、ストレスがない日はありません。
大小の差はあれど、基本的にしんどい。
毎日が「今日こそは怒られませんように」と、お祈りゲー。

そして気づけば、あなたの心は少しずつ削られていく。
わかります、痛いほど。

以前、厳しい指導じゃなくても、ただ指導をされ続けるだけで辛い、という話をしました。
https://sakiwoiku-ns.com/%e3%80%8c%e6%80%92%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%82%8f%e3%81%91%e3%81%98%e3%82%83%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%ab%e3%80%81%e3%81%a4%e3%82%89%e3%81%84%e3%80%8d%e2%94%80%e2%94%80%e9%9d%99%e3%81%8b/

だから優しい先輩からの指導だって、それが毎日重なってくると新人さんたちにとっては大きなプレッシャーなんです。

皆さんは本当にそんな環境の中で頑張っていると思います。

人間ストレスフルな環境で、1日ならなんとか頑張れます。2,3日でも踏ん張れるかもしれません。

でもそれが1週間続いたら…?
さらに1ヵ月、2カ月と続いたら……

考えるだけでも恐ろしいですよね。でも現に実際あなたはここまで頑張っているんです。本当にすごい。想像を絶するようなストレスの中で、毎日毎日、頑張って仕事に来てくれている。同じナースとして教える側の私も心から尊敬しています。

人間関係の悩みというのは、仕事を辞める原因で最も多い理由のひとつです。
中途入社のベテランさんですらこの壁にぶつかってしまうんです。

新人のあなたたちが悩まないはずがない。
でも大丈夫。あなたのその辛い気持ち、決して一人で抱え込まないでください。一緒に頑張っていきましょう。

「あるある~!」あなたの周りにもいる? 厄介な先輩たちの生態

①指導が厳しすぎる・指導が不適切な先輩

最も多く生息するタイプの厄介先輩です。
眉間にいつもシワを寄せ、報告に行けば
「それちゃんと考えた?」
「前も言ったよね?」
と、こちらの揚げ足を取るような言い方をされることがあります。中にはそもそも指導自体が下手過ぎて、結局何が言いたいのかサッパリ分からない先輩もいますよね。ふわっとした概念論や、的外れな話で時間を取られ、「この時間で患者さんのケアが出来たのに…」なんて思っちゃいます。

さらに上位種になると、露骨にため息をついたり、舌打ちをして言葉以上の威圧感を放ってくるタイプもいます。

こんな先輩が相手だと、「また何か言われるんじゃないか」と身構えてしまいますよね…。 その結果報連相が怖くなり、ミスにつながったり、危険な状況の報告遅れにつながったりしてしまいます。あなたの心を守るための無意識の行動が、皮肉にもあなたの心のさらなる危機を招いてしまうことにもなりかねません。

一人の人間として好きになろうと頑張らない。この人の言葉は「学び」だと割り切って、深く自分の中で落としこもうとしないで。

②無関心・無反応な先輩

直接怒鳴られるわけじゃないけど、これがメンタルにくる…

いつも自分の業務に没頭しており、新人からの呼びかけにも生返事。なんなら無反応なことも。
自分が困っていても見て見ぬふりをされることまで…。勇気を出して助けを求めると、嫌そうな顔をされたり…。

目を合わせない、報告をしても無反応、相槌も少なく、話を聞いているのかすら分からない。
指示、情報共有も不足しているから、新人のあなたが不必要に頭を悩ませなければいけないという事態に。

個人的には厳しくともちゃんと教えてくれる先輩の方がマシだと思ってしまいます。だって「分からない」というあなたを置き去りにするんですから。これほど心細くて危険なことはありません。

この手の人には優先順位を整理してから話かけてみて。
ダメなら他の先輩に相談が良さそう。

③裏表がある・陰口が多い先輩

まさかこんなところで…! と心の準備をしていない思わぬところで一撃が入り、メンタルをえぐってくるタイプの先輩

新人の前では優しい顔を見せることもある。なのに他の先輩や同僚しかいない場所になった途端、裏で新人の悪口を言っているのが聞こえてきたりします。
人によって態度がコロコロ変わるから、誰を信じていいのか分からなくなりますよね。
休憩中や業務中に、他のスタッフや患者さんの陰口を言うような先輩だと、新人がいないところで、自分の悪口を言われているのではないかと不安がつきまといます。

上位種になると上司や特定の先輩の前では良い顔をして媚びを売るのに、新人や後輩には冷たい態度を取る人も。自分のミスをさりげなく新人のせいにしたり、新人を利用して都合よく立ち回ろうとしたり…。
必要な情報を意図的に伝えなかったり、重要なことをわざと教えなかったりするなんて陰湿な手を使う話も聞いたことがあります。

そう、女の職場ではこんなにも恐ろしい先輩たちがいるものなのです。もしかしたら顔が思い浮かぶ人がいるかもしれませんね…。

新人という立場の弱さを利用されて、やりたい放題やられているように感じてしまう日もあるでしょう
これほど悲しくストレスのたまるものはありません。

苦手な先輩への対処は非常に難しく直接的な解決は残念ながらほぼ不可能です。師長が協力的であれば相談することも可能ですが… それを言うのも勇気がいりますもんね。

しかし、いくつか具体的な対処法を実践することで、状況を改善したり、自分自身を守ったりすることはできます。

明日を、今日よりも少しだけ良い日に変えることは、間違いなくできるんです。

「指導」は「明日への学び」の機会

「辛い」 「もうだめかも」 そう感じているあなたに、今日からできる0.2歩の具体的なアクションをお教えします。

厳しい指導は今後も連日続きます。自分のダメなところを指摘されるわけですから自己効力感は下がって当たり前です。でも、ここでちょっと視点を変えましょう。

指導とは言い換えれば「直すべきところ」を具体的に教えてくれているということ。そこを改善できれば、明日のあなたは今日のあなたよりも確実に一歩成長しているんです。
ミスを指摘されたことも、視点が足りないと指摘されたことも、すべては明日あなたがもっとうまくできるようになるためのヒントに過ぎないのです。

毎日、1日の終わりに先輩と反省したりしますよね? その時あなたが考えることは「今日出来なかったことはなにか」だけではなく「明日からどうやって改善するか」に目を向けてください。
その割合は30:70です。
その出てきた「改善策」を明日、本当にやってみるかどうかで、あなたの成長速度は段違いに変わります。

報連相は自分を守る呪文だと思おう

先輩にいつも言われませんか? 報連相をちゃんとしてって。もう耳にタコができてます。
新人の頃の私は1万回言われましたかもしれません。

怖い先輩に報連相するのってめちゃくちゃしんどいです。だってあの人たち、こっちの話を聞く姿勢じゃないですよね。1言えば10返ってくるような人たちです。

でも、しんどくても言わなきゃいけません

新人の頃は今の状況が危ない状況なのか、危ない状況の一歩手前なのか、それともまだ大丈夫なのか。本当の意味で判断が出来ません。これは知識だけでなく経験からくるものでもあるので、どうやってもこれは新人には判断できないというケースが生じてしまうんです。

なので嫌でも辛くても報連相は死守してください

たとえ「その報告いらない」とか言われてもめげずに報告は続けましょう。もし今日ついている先輩が怖すぎるなら、まだ他にマシな先輩に相談しても大丈夫です。とにかく先輩を巻き込むつもりで報連相は自分で多すぎると思うくらいやった方がいいんです。報連相は自分の身を守る防具になります。

それは業務上に必要な絶対に欠かせないコミュニケーションなんです。報連相の不足で大きな事故が起きたらもっと怖い状況になって、
結果、さらに怒られてしまうかもしれません。自分の身と心を守るためにも頑張りましょう。

もっと「雑な言葉」で感情、思考を伝えていい

新人のうちの先輩とのコミュニケーションは難しいですよね。友達ではないし、学校の先生のようにほどよく近い距離でもない。

よっぽどコミュ力が高い新人さんだったり、めちゃ優しい先輩でもないと気軽に話したり質問することは難しいと感じるでしょう。自分の発言にはいつも細心の注意を払っていますもんね。

新人のあなたは、うまくまとめたかっこいい言葉を出そうとしませんか?
結局自分の考えをうまく言えないことってありませんか?

もっと雑な言葉といったら変ですが、もっと「一段ギアを下げた」コミュニケーションの方が結果的にうまくいくことが多いです。

「今、何に困っているのか」
「今なにに戸惑っているのか」をあなたの感情とともに言葉にすること。

これは、指導する私たち先輩からすると本当に助かります。

先輩からなにか質問された新人さんは、その質問の裏の意図まで深く考えようとすることがよくあります。結果的に答えがうまくまとまらず、レスポンスも悪くなって、質問した側は「何を考えているんだろう」と分からなくなります。そして、先輩からの質問攻めが始まってしまうのです。

でも、「指導されて学びになった!」
「助けてもらえてうれしかったです!」
なんて言ってもらえると、こちらも教えて良かったと思えるし、これは先輩との信頼関係を築く、なによりの土台になります。この子は真剣に学ぼうとしてくれてるんだなと思いますし、私たち先輩側へのポジティブフィードバックになるんです。

新人さんの多くは緊張などで口数が減りがちです。
しかも先輩との関係性ができていないうちは、思考をこねくりまわして「完璧な言葉」を作ろうとします。それが結果的に、円滑なコミュニケーションを阻害してしまうんです。

例えばルート確保の場面を想像してみてください

物品を準備して、あなたは血管を探しています。先輩が横から見守っているわけですね。

でも血管が細い。困った!

きっとあなたは考えることになります。

こっちの血管と、あっちの血管どっちがいいだろう。
この血管の方が見えるけどちょっと蛇行してるかも。
針の根本まで入る長さあるかな。22Gかな、24Gかな。
でもここ関節近くてここじゃない方がやっぱりいい気がしてきた。

色々なことが頭を駆け巡るわけです。たっぷり時間をかけて、困り果てたあなたはこう言います。

「どうすればいいですか…?」

すると横で見ていた先輩から「いやいやいや…」って言われてしまうわけです

こんな場面、指導している立場からすると本当に2000回はあります。

色んなことを考えた結果、出てくる言葉が少なすぎるんです。

きっとあなたの中では複雑に絡み合った思考の結果、ベストな答えが見いだせなくなってしまったんでしょう。私なら、「何に困ったの?」って推察して聞いてあげられます。でも、残念ながら、怖い先輩はそんな新人さんの気持ちは汲んでくれません。「今まで何見てたの?」なんて、痛恨の一撃がお見舞いされることもあるかもしれません。

なにが言いたいかというと、自分の困った感情、そしてそれに至った思考のプロセスを伝えるんです。

ありえない話ですけが、もしこれが見守ってたのが新人じゃなくて友達だったとしましょう。
あなたはきっとこう話すはずです。

「血管細っ! 見えにくい」
「蛇行してるしさー。あっちの方がいいかな?」
「22G入らないよね。多分24Gの方が良さそう」

って普通に会話して、思考を整理していけるんです。

だけど先輩にそんなフランクには話せません。

だから「完璧に作った言葉」ではなく、「ギアを一段下げて」話をするんです。

「(色々考えたんですけど)どうしたらいいですか」

というのではなく

「血管が蛇行してたり、関節に近いところしか血管が見えなくて悩んでるんですけど、ここなら24G入りそうだと思ったんですけどいいですか」

どうでしょう? 自分の考えや悩みを率直に言うだけでずいぶん「それっぽい」というか、「かっこよく」言えてる気がしませんか?

この完璧主義的な言葉を手放すだけでずいぶんと楽になります。

看護学生の頃から鍛え抜かれた、医療用語とかを用いた看護記録や報告のやり方が染みつきすぎて、日常的な会話でもそれをやろうとするとコミュニケーションエラーが起きていることを覚えておいてくださいね。

先輩に分からないことを質問するコツもこれと一緒です。

例えばさっきのルートを刺す場面で、結局どこを刺せばいいか分からなかった時。

ただ「どこに刺せばいいですか」
と悩みに悩んで、言葉がそれだけだと先輩も困ってしまいます。

だから、こう言ってみるんです。

「こっちの血管が細くて蛇行してるんですけど、あっちの血管は関節に近くて。どこに刺せばいいか教えてください」

これなら、「よし教えてやろう」って先輩も思いますよね。

これもさっきと同じです。漠然とした質問だけでなく、自分が既にもっている考えなどを言葉にしていくことで、スムーズなコミュニケーションに繋がっていくのです。

あなたの心を守る盾

そして厳しい指導の中でメンタルを病まないコツがもう1つあります。

それは「言葉の真意」と「感情」を切り離すという技です。

 先輩から感情的に「なんでこんなミスしたの!」と怒鳴られても、「この人は今、私がミスを繰り返さないよう指導しようとしてくれているんだ」と、言葉の奥にある意図を冷静に読み取る練習です。

 怒鳴っている感情的な言葉に惑わされず、その中に含まれる「事実」「学ぶべき点」だけを拾い上げる練習です。これにより、感情的なダメージを軽減し、建設的な学びにつなげることができます。

ここからは前回の記事で紹介した内容になります。

合わない人がいてもいいと認める

どんな職場でも、人には相性があり、人には合う人合わない人がいます。
陽キャ陰キャ、A型O型AB型、インドアアウトドア。
人にはそれぞれ違うラベルがあり、カテゴライズされます。それは悪いことではありません。

指導がキツい先輩、優しいけど距離が遠い先輩、声をかけづらい先輩
平たく言えばちょっと意地悪な性格の人も「多様性」という便利な言葉で片付けられてしまいます。
この多様性を理解しつつも、相容れないものには必ずしも共感、寄り添う必要はないと私は思っています。

それぞれが違うように、自分と合わない人がいるのは、当たり前のことなんです。
そして、無理に仲良くしようとしなくていい。

大事なのは、業務に必要なコミュニケーションだけ保てればいいということ。

合わない人との過剰な接触は自分の心理に悪い影響を及ぼします。
常に棘のある言葉や態度、自分とは温度の違う考え方をする人と、近い距離でいればいるほど心は荒んでしまいます。

業務上に必要な距離は保ちつつ、自分から距離を少し取ろうとするのは「自分を守る技術」です。

いかがだったでしょうか

あの先輩の足音が聞こえるたびに、後ろ姿が見えるたびに心がキュッと縮こまる。
怒られるかもしれない、睨まれるかもしれない。
そんな不安で、胸がずっとざわついている日々。
あなたは今、そんな毎日の中で、「もう無理かもしれない」と感じていることでしょう。

明日の部屋割りを見て怖い先輩がフォローにつくことを知ってしまったら、きっと帰ってからもずっと憂鬱な気持ちは晴れることはないでしょう。
朝起きるのが怖い。
出勤途中で、何度も引き返したくなる。
涙をこらえながらナース服に袖を通すあなたの姿を、私は知っています。
その姿は、決して弱いんじゃない。
怖くても逃げずに立ち向かっている、あなたの「強さ」そのものです。

厳しさの奥にある意図なんて、今は見えなくて当然です。
それでもあなたは、人の命に寄り添うという尊い仕事を、毎日投げ出さずに続けている。
それは本当にすごいことで、その努力は認めてもらうべきことです。

「もうだめだ」と思う日があっていい。
涙が流れる夜があってもいい。
休んでしまう1日があってもいい。
あなたが今いる場所は、それほどまでに過酷です。だからこそ乗り越えようとするだけで、本当に立派なことなのです。

あなたが感じる痛みや不安は、決して一人きりのものじゃありません。
この道を通ってきた先輩たちの中にも、かつてのあなたと同じように、悩み苦しんだ人が、私がいます。
だから、声を上げてもいい。立ち止まってもいいんです。

今日のあなたが、ただここにいること。
それだけで、十分すぎるほど価値があります。

明日は、今日より少しだけ心が軽くなりますように。
今日出来なかったことが、明日は「できたじゃん」って褒められ、あなたが笑える日になりますように。

あなたのその一歩一歩が確かに未来へとつながっています。私は心からそれを応援しています。
怖い先輩よりも、ずっとあなたの味方でいたいと思っています。そのことを、どうか忘れないでほしいと切に願います。

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